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令和元年度第1回台湾医療調査・交流

外国人観光客患者及び台湾透析患者受け入れのための院内整備を行うために台湾現地の政府との連携、医療機関の現状など調査を行い、台湾透析患者モニタリングを誘導しながら台湾透析患者を受け入れの検証・課題改善を整理し、沖縄医療現場の対応力経験値を上げ、受入れ基盤整備につなげる目的である。

台湾現地の関係医療機関へ直接訪問し、本事業の目的を説明する。沖縄で透析旅行を体験したい患者に情報伝達するように連携を取る。また、今回の事業において台湾の腹膜透析患者の誘導も含めて行うことも事業の目的でもあった。

  台湾の透析患者会や人口の多い高雄地域において大規模な病院や透析患者協会及び旅行社を選定して、以上の目的に沿って下記の施設の訪問調査を行った。

1.美和科技大学

高雄市の郊外に位置する美和科技大学に着くと、林祖繩理事長の挨拶、翁順祥校長の挨拶が行われた。我々も来訪した趣旨を挨拶した。そしてスライドを用いた学校紹介が行われ、看護学部に関しては台湾で3番目に大きく、クラスで言うと21クラス、1学年約2000人の学生がいるとのことで、美和科技大学の大きさに驚いた。台湾南部、高雄地域では一番大きく、ほとんどの病院に美和科技大学の卒業生がおり、この地域の看護師の約6分の一は美和科技大学の卒業生との事であった。今回、おもと会の介護施設にインターンシップの学生が実習に来る予定となっているため、その場に皆さん来て頂き、初の面談となった。

その後、看護学部の施設を案内してもらった。それぞれの実習室は、いろいろな場面を想定された実習室が作られていた。シミュレーターを用いたシミュレーション教育が現場実習の中心となっているそうだ。経鼻胃管の挿入や、救急蘇生の現場を想定した実習室などが多くあった。一番驚いたのは、人体の裁断模型(人体本物)で人体の横断面が分かるように作られていた。

看護学科の説明を受ける

2.高雄栄民総医院

高雄栄民総医院は、台北にある栄民病院に次に大きく約2000床との事である。約と言うのは、普段は1800床で運用しているが、災害などの非常時にはその枠を超えて病床を運営してよいとの事で、約と言う表現をしているとの事であった。中華民国中興の士、蒋介石によって創設された病院である。創設された当時は、軍人のための病院として創設され、退役軍人を含めて、公的な病院としての役割を担い、その後、純粋に国立病院として機能している。

今回、透析患者の誘導という事で、腎臓科、透析室を視察した。栄民病院は台湾の中でもレベルの高い病院であり、透析患者の管理や、感染症についての取り扱いやマネージメントは全く日本と一緒である。病院の中で日本と違いがあるのが産後ケア病棟だろう。台湾では、お産後約1か月は産褥回復のために仕事や家事はせずに静かに過ごす風習があり、そのための病棟である。保険は効かないそうだが、ほぼ常に満床で運営されている。よく街中でも産後ケアを看板があるが、その様なところで休むそうだ。また、緩和ケア病棟の視察も行った。最上階にあり、見晴らしも良く、また色々な絵画なども掛けられ心が和むような配慮がされていた。

台北市には3000床の栄民病院があり高雄の栄民病院は台湾で2番目に大きな病院である。 今回、我々は、その高雄栄民病院とMOUを締結し、医療従事者の相互交流、人材育成など、交流をしていくための基盤を構築することができた。そしてその署名式が多くの関係者の列席の下に行われた。当方は沖縄国際医療推進協会代表理事の城間寛氏と栄民病院側は黄嶋基(本部、総秘書)が署名のセレモニーに列席した。

沖縄国際医療推進協会と高雄栄民病院とのMOU締結式の様子

*調印を終えて締結書を交換

 

3.高雄長庚記念病院

長庚記念病院は、台北、高雄そしてあと2か所に病院があり、総病床数は1万床を超す、一大チェーン病院である。その中で、高雄長庚記念病院は2番目に大きく2688床もある巨大病院である。今回の訪問に関して、副院長で、腎臓科教授の李副院長が対応して頂いた。

透析室と腹膜透析室を見学し、今後相互交流が行える様に意見交換を行った。また。また、台湾には10台の陽子線治療機を設置する予定だが、その中でこの高雄長庚病院に2台が設置される予定だそうで、丁度、ミーティングを行った部屋の窓から外を眺めてみると、その陽子線治療センターのための建設工事が行われている建築現場があり、副院長より台湾におけるがん治療の現状などを説明して頂いた。

今回の、透析患者誘導のプレゼンも行ったところ、希望者がいれば紹介をすると話していただいた。

長庚記念病院のメンバーと記念撮影

 

記念品贈呈                  交流会議の様子

4.高雄医学大学附属病院

陳鴻鈞教授は、高雄医学大学附属病院の権威的な医師であり、世界においても各国の透析事業を詳しい先生である。また、台湾のすべての腎臓科を有する病院やクリニックが加入する「台湾腎臓医学会」の前理事長でもある。今回の訪問は、プロジェクトの説明や陳教授の協力をいただき、学会のHPを通して台湾透析患者誘導のお知らせをお願いしたいところであった。陳教授は、本事業の内容や目的をよく知っており、沖縄腎臓学会のとの交流も深いとのことで、心地よく承諾していただいた。

 

高雄医学大学附属病院 陳鴻鈞教授

5.社団法人高雄市佛光腎臓関懐協会

高雄市に位置する透析患者をサポートする患者会の一つである。今回の訪問目的は、本事業の周知と台湾南部地域の透析患者が沖縄観光したい場合、情報提供の窓口にしてもらうことを打診のためでもあった。総幹事の李さんは、南部の透析患者のことをいろいろ教えていただいた。今後、沖縄旅行した患者がいたら、繋げてくれることを合意した。

高雄市佛光腎臓関懐協会

6.佑鴻旅行社

高雄市に位置する旅行社で、日本に観光客を送り出す現地アウトバウンド旅行社であった。今回は、台湾人が好まれる医薬品などの聞き取り調査で訪問した次第である。副社長やマネジャーが対応していただいた。日本の東京、大阪などのゴールデンルートに団体の観光客をよく送っていたので、台湾人がよく買われて医薬品等をいろいろ教えていただいた。今後、沖縄に透析患者の旅行も考えてみたいと意欲を示してくれた。

佑鴻旅行社入口にて

よく買われた日本の医薬品