ニュース


  • もっと知ろう 中国語!
  • SORAアカデミーサポート 中国語教室について

2019年04月 アーカイブ / ニュース

平成30年度 第3回台湾出張 (12月)

台湾医療現場の現地実習を行うため、台北市立連合病院の訪問となります。また、今回は、現場実習を受け入れていただくためには、連合病院と友好提携をすることとなり、MOUの調印式に参加する大きな目的でもあります。今回の訪問調査は、これまで台湾の医療機関ネットワークづくりに尽力していただいた専門家である城間寛先生や腎臓病において世界各国とのネットワークを持ち且つ各国の透析現場をみてきた専門家井関邦敏先生に同行していただき、現場の指導を受けることとなりました。調査方法としては、沖縄の医療関係者と一緒に実習現場に入り、参加型の調査方法をとりました。

1. 仁愛病院・小児科、産後ケアセンター、透析室の見学

台湾に到後、予定の第一訪問先部署として、台北市立連合病院の医学研修センターにてVTRを用いて全体の紹介をしていただきました。

台北市立連合病院でのあいさつ

その後、医学研修センターの見学し、臨床技能訓練や研修のための精密機械なども揃っており、教育体制が整えている印象でした。医学教育センターは、研修医の教育や看護学生の現場実習の際に使用される場所です。今回、我々の研修メンバーは、看護学生もいるとのことで、臨床技能センターも見学させていただくことになりました。

臨床技能センターの集合写真

続けて、小児科病棟及び産後ケア病棟の見学となり、日本の病院には存在しない産後ケア病棟を見ることができ、台湾の医療文化や習慣について深く理解できました。小児科は、絵本に出てくるような物語の図柄や動物の絵など、子供に好まれるデザインが壁一面に描かれています。高齢社会を迎える台湾の医療機関は、こどもの健康や小児医療に大変力を入れており、仁愛病院の小児科も非常に努力されていることが伺えます。小児医療も台湾医療機関の特徴の一つとして確認ができました。

産後ケア病棟前

産後ケアセンターというのは日本にはない病棟です。台湾、中国では産婦はお産後1か月くらい動いてはいけないという考え方で、乳児の世話から産婦のお世話をします。台湾医療機関に特有の取組みを見ることができました。

仁愛病院小児科等の見学後に、翌日(12月21日)に予定していた透析室実習の事前準備として、透析現場研修において調べることや確認すべきなことを専門家の井関邦敏先生(腎臓内科専門医)や高嶺朝広先生(腎臓内科専門医)に指導していただきました。特に、感染症の扱い方や透析液の作り方に関して日本と異なることがあり、実習の際に注意してみてほしいという指導がありました。

病院見学後に、今回訪問のメインイベントでもある台北市立連合病院との友好締結のMOU調印式会場に向かいました。締結式は台北市内のホテルで午後6時から行われました。台湾側の参加者は黄勝堅総院長をはじめ、市立聯合病院の他の7つの病院の院長先生達および台北市衛生局長が立会人として参加しました。終了後台北市立聯合病院の院長先生達と食事会が行われました。今回の友好締結により、我々の台湾医療現場実習が実現できることとなり、今後も沖縄での病院現場の外国人対応力向上のために是非市立聯合病院の協力をお願いし、今後もこのような協力体制が実施できることが確認できました。

友好締結覚書にサイン

2. 台北市連合病院・仁愛病院 ソーシャルワーク室、認知症トレーニングセンター、透析室など

朝から台北市立仁愛病院にて現場実習を行いました。仁愛病院に到着して、玄関に沖縄からの研修生を歓迎する表示があったことに参加者全員は、感激しました。その後、会議室で忙しい外来時間の合間にきてくださった仁愛病院簫院長が実習の歓迎挨拶をいただきました。

仁愛病院簫院長の挨拶

各部署大勢なスタッフが私たちの研修のために待機していただきました。沖縄の研修参加者の職種に合わせてソーシャルワーカーの取組み、病院全体の取組み、透析室の見学・実習、看護学生のための臨床研修内容を用意しました。

仁愛病院での説明会

簫院長の挨拶後に、病院の組織図やソーシャルワーカーの役割、活動状況などの説明がありました。その後病院の施設案内があり、病院の中で、一般的な診療状の役割以外の特別な施設の紹介が行われました。
連合病院のソーシャルワーカーの支援体制や取組みについてお話を伺いました。連合病院全体のソーシャルワーカーの人数は43名だそうです。うち75%が有資格者です。三年以内に有資格者100%を達成できるように目指しているとのことでした。支援内容としては、個々のケースに応じて家庭訪問等を行って、支援コーディネーターであるケースマネジャーとサービス計画を調整したり、病識の無い患者さんへの支援や退院支援などを行っています。また認知症を抱えている方などが地域で生活できるために、患者さんがよく通うお店など地域の方々へ理解もらう役割も担っています。また今後の展望として、在宅ケアや在宅医療などトータルで関わっていけるように支援していきたいとのことでした。

ソーシャルワーカーの取組みについての紹介

その後、認知症の患者のデイケアを見せてもらいました。色々な作業療法を行いながら、認知症のリハビリに励んでいるのが印象的でした。ゲーム感覚で言葉のやり取りや、絵を用いた記憶の回帰など、色々な工夫が窺えました。

また、院内には、DV等の対応をする為のワンストップサービスが行っており、被害者の特別診察室もあり、被害者が羞恥心を更に傷つけられる事がないようにと配慮されていました。また、同様に児童虐待の時にも使用されるとの事で、患者に配慮された作りとなっていました。

認知症トレーニングセンター

透析室の見学・実習

前日に専門家の井関先生に透析に関して、日本との違いの指導を受けたうえで現場実習が行われており、その違いを注意しながら、現場の詳しい説明を再度聞くことになりました。まず、ミーティングルームで全体の説明と質疑応答が行われました。一般的な透析治療の質を問う医療指標のデータ分析の結果を説明され、現場は、医療指標に達するために、様々な努力がされていることが窺えました。これは、学会発表でも行われているように、医療の質を担保する努力が普段に行われていることを示しているものと理解しました。台湾の医療レベルは日本国内と遜色なく高いと研修生の全員が感心しました。

感染症についての説明がありました。沖縄では、B型肝炎感染患者が他の患者から隔離されて別ベッドで透析治療を受けていますが、仁愛病院では、B型肝炎だけでなく、C型やE型肝炎も同様に一般患者から離れた別のベッドが使用されてました。前日の井関先生のレクチャーもあったので、その取り扱いの相違が再度現場で確認できました。その後、透析班と学生班を分けてそれぞれの見学・実習を行いました。

透析室での見学・実習様子

実習後のスタッフとの意見交換・交流

すべての見学・実習後に仁愛病院の看護スタッフの意見交換会が行われました。見学の感想や日本との違いをそれぞれ述べました。看護主任は、沖縄の研修生のために台湾のおやつも用意していただき、研修の緊張感や疲れも取れ、楽しい雰囲気の中で最後の意見交換ができました。また、今後このような研修は、1週間も実施したいという要望もあり、次年度の計画としたいと考えています。

仁愛病院の看護師スタッフとの交流会


平成30年度 第2回台湾出張 (11月)

今回の台湾出張の目的は、医療中国語の台湾現地実習のため現地病院との調整と、腹膜透析患者の確認を行うことです。さらに、将来医療現場の人材不足解消に繋がるに台湾の看護学科がある大学も訪問し、医療人材をつなぐことも目的の一つです。

台湾現地の関係医療機関へ直接訪問し、ヒアリング方式及び交流会方式の調査を行いました。今回は、台北市立連合病院を選定し、12月の医療現場実習の具体的な相談も含めて協議しました。また、11月の腹膜透析患者の誘導を確認のため、旅行社を訪問し看護師、腹膜透析協会の方と進捗確認及び腹膜透析に関する詳細確認を行いました。これから訪問先ごとに意見交換した内容や調査の結果などを紹介します。

1. 台北仁濟醫院

台湾に到後、第一訪問先として、台北市内にある血液透析を専門とするクリニックである台北仁濟醫院を訪問しました。院長の李孟鴻先生に案内してもらい、透析室の機器や方法などの説明がありました。透析ベッドが21床でありますが、海外からも旅行透析を受け入れているとのことでした。院長先生にも出迎えしていただき、丁寧にクリニックのことを説明していただきました。透析機械は日本のテルモ社製でスムーズに透析治療が行われているという話もありました。同クリニック自身が海外からの透析患者を受け入れているので、今回、沖縄での透析患者の受け入れについては、協力的でした。また、今後、沖縄からの透析患者も受け入れたいという意向も確認できました。

台北・仁済病院前

2. 台北市連合病院・仁愛病院及び病院関係者との意見交換会

台北市立聯合病院の在宅医療の推進の方法として、コミュニティーを中心に高齢者の状況把握や、講演会や栄養指導を行っています。そのコミュニティーの一つである士林慈悲關懷社區(士林神農宮)を訪問し視察しました。士林神農宮とはいわゆる農業の神様を祀るお寺でその地域では有名なところです。地域の住人は良くその神農宮を訪れ、お祈りをするためその地域の住民の状況を把握しているとのことでした。また、その地区の区長も共同で住民把握を共に行っているため、ほとんどの住民の状況が可能になっているとのことです。

近年台湾でも高齢化が進んでおり、独居の人や認知症の人も次第に増えてきているとのことでした。そのような場合にコミュニケーションの場をお寺が提供しており、その中で医療的関与が必要な場合には市立聯合病院の地域在宅医療ケア拠点に連絡し在宅医療を介入していくとのことでした。

士林神農宮は由緒のあるお寺で、地元の人たちの信仰心は厚いです。そこを拠点に地域住民の健康管理を行なっています。高齢者の住民を対象に、月2回食事会を行い栄養状態のチェックを行うと共に栄養指導も行っています。台北市立聯合病院総院長の黄総院長、仁愛病院院長蕭勝煌先生なども参加して、地元の区長も一緒に高齢者に提供している食事会の食事を一緒に経験しました。栄養士の指導のもとで鶏肉、豚肉、野菜が調理されており、高齢者に提供しています。

月2回高齢者共同食事の行事(老人共餐)の様子

3. 地域高齢者ケア拠点(臺北市立聯合醫院長照大橋據點)

まず、台北市立聯合醫院長照大橋據點の取組みを紹介していただきました。訪問診療を行う医師が配属されており、主に家庭医を専門とする医師が中心になって地域をケアする体制となっています。また、訪問看護師が多く配置されていって、医師が往診出来ない所や、医師が往診するほどでもない軽症を看護師がカバーしているとのことでした。そして、いわゆるケアマネージャーが全体を把握して必要な医療提供を計画しています。

その後実際に市内の訪問診療を行なっている地域に向かって、高齢者の居住地域を案内していただきました。家族がいない独居の高齢者達が暮らす住居や集合住宅なども実際に見学することができました。四畳半一間の住居に衣服や家財道具が入っている様子は、日本と同様だと考えられました。台湾でも日本の高齢化の10年後を追いかけるような人口構成となっています。これら全ての高齢者に介護施設で暮らしてもらうことは、社会状況から見ても全く無理な状況であり、元気でADLがある程度維持できている高齢者には、在宅医療が今後の社会医療体制になっています。

台北市立連合病院の在宅医療の取組みの紹介

4. 台北市立病院訪問(臺北市立聯合醫院・仁愛院區)

台北市立聯合病院は7つの総合病院からなり、その中の一つである仁愛病院は病床数が約626床あり台市の高度急性期医療を担っています。今回は、その仁愛病院を視察しました。高度急性期病院であるため、救急機能が高く、多くの救急患者さんが、救急搬送やWalk inで受診しているそうです。ほぼ全ての疾患の救急を受け入れています。次に血液透析室を視察しました。透析室は、稼働ベッドが44床で、B型肝炎などがある感染症領域と一般との患者さんが区別されています。内装も落ち着いた雰囲気で、近代的な装備です。透析機会は日本製が使われています。透析方法などは、ほぼ日本のやり方と差異はなく、透析後の評価の方法も同様です。次に、特別な施設として国際的に活躍する運動選手育成のためのスポーツセンターがありました。それほど大きな施設ではなく100平方メートル程度の部屋が三つほどあり、その中に色々な運動機器と医療機器があり運動中の選手のデーターを計測しながら、選手へのアドバイスに役立てるとのことでした。

5. 12月の沖縄医療語学受講生の台湾医療現場見学・実習のための意見交換

台北市立聯合病院総院長の黄勝堅がプレゼンテーションを行いました。その内容について述べます。まず、台湾も高齢化社会を迎える時代となったため、それに対応できる医療提供体制を強化して行かなければなりません。また、台北市内にも病院に通院できないような高齢者、認知症の患者、また障害者の方がいます。そのような人たちにも対応できるようにしなければいけません。これは、2014年に台北市長になった柯文哲市長の文化革新理念でもあります。市長自身も医師で、長年台湾大学病院で医療を実践してきた医療人なのでその事は十分承知しています。その市長に指名されて市立聯合病院の総院長に就任したのが黄勝堅先生です。そのため総院長は強いリーダーシップを発揮して台北市内の医療改革に乗り出し、特にそのなかで取り組んでいるのが高齢者や障害者に対する在宅医療です。日本でも在宅医療はあるが、どちらかというと日本における在宅医療は、医療費を削減するために行われているところが多いですが、台北市における在宅医療は、高齢で病院の外来通院が困難であるとか、認知症の患者、また障害を持っている患者など、本当に患者中心の医療と言える在宅医療が実践されています。

日本では主に内科中心で、診察と処方を行う程度ですが、台北市では、耳鼻科の検査機器を持参して、診察から治療までを実践しています。また、眼科もコンパクトな検査機器を開発し、在宅でも診察が可能となっています。皮膚科診察では、スマホなどを用いて写真をとり、その写真を病院に送り、専門医に見てもらい意見を聞いて治療の参考としています。また歯科治療においても独自に開発した治療器を持参して在宅で歯科治療を行っています。台湾でもこれから高齢化社会に突入するということで、すべての患者を施設で収容することができないという事情もあるが、このように患者にとって本当に必要な治療が在宅で行われている事に感心しました。

最後に議題の台湾医療現場見学・実習の受け入れについて議論し、大まかな方向が決まりました。

意見交換後の撮影

6. 輔英科技大学

輔英科技大学は、台南市の南の方に位置し、看護系および介護系の教育する大学です。看護学科は 20クラスがあり、4000人の看護学科の学生が在籍しているとのことです。

今回、輔英科技大学を訪問する目的は、介護学科の学生の海外インターンシップについて協議することです。大学構内に入ってみると、広い敷地に校舎のビルが配置されています。大学の中には観光学科もあり、その実習場所として、大学構内にホテルを運営しています。ほぼ通常のホテルのような 6階建ての建物でした。そこではホテル業務に必要な現場実習を行っているとのことです。一泊 \3000程度の宿泊料金を取って宿泊してもらっています。主には学生の宿泊が多いとのことです。スポーツ系の大学の合宿や、宿泊研修などで利用されているようです。台湾の大学、特に科技大学では現場実習に必要な施設が充実しています。

看護学科主任の程先生を訪ね、台湾における看護教育、介護学の教育について話しを聞くと、台湾において介護の教育が行われるようになって来たのは、最近のことで、国においてもまだ介護保険制度もないとのことです。しかし早急に日本をモデルにして介護保険制度を構築する予定とのことです。そのため輔英科技大学でも 3年前に介護学科を新設して教育しているが、まだ卒業生は出ていません。日本はすでに介護保険制度ができてから、18年になり介護学の教育や介護施設ができており介護については先進国です。台湾はまだ十分に介護についての実践教育ができないので可能であれば日本の介護の現場で実地教育をできるようにして行きたいとおっしゃていました。具体的には、沖縄の介護施設に台湾の学生のインターンシップを行えるように調整することが挙げられます。

副学長との記念撮影

7. 華郁旅行社訪問

今回、台湾の血液透析の患者及び腹膜透析の患者の沖縄旅行について話し合うことが目的でした。これまでも透析患者の団体旅行を経験している同社ですが、やはり腎不全という医療弱者の旅行には慎重な対応体制を取っているのことが伺えました。以前、腹膜透析の患者の沖縄旅行を実施した時、実際に沖縄に到着してから、腹膜透析のカテーテルのギャップを忘れている事に気がつき、沖縄でカテーテルのキャップを探しましたが、病院にも問屋にも在庫がなく、結局そのまま台湾に帰ったと言う事もあったようです。そのために事前に台湾の透析患者が使用しているカテーテルやキャップなど付属の品を何点か提供してもらいました。このように些細な事まで入念に準備しておくことが肝要です。打合せによって、相互確認したい内容は、ほぼ解決となりました。

華郁旅行社訪問


平成30年度 第1回台湾出張 (8月)

台湾透析患者を含む外国人観光客患者の受け入れを行う病院内の整備を行うために、台湾現地の政府との連携や医療機関の現状など調査、台湾透析患者の受け入れの準備のために4日間の台湾出張を行いました。4日間で8箇所も訪問、調査をしました。訪問した場所での意見交換や調査したことを紹介します。

1. 台湾腎友生活品質促進協会

同協会は台湾全土の透析患者の生活向上のために運営されている組織で、その活動の中に海外旅行などの情報を提供し、透析病院の紹介なども行っているとのことです。今回、本プロジェクトの趣旨や台湾透析患者の誘導について説明しましたところ、台湾透析患者の希望者がいれば積極的に紹介してくださり協力していただけることを確認しました。

台湾透析患者の状況説明の様子

2. 台湾バクスター社及び台湾大学附属病院腎臓科教授との意見交換会

今回の事業の一つである腹膜透析患者のモニター誘導について、台湾では、腹膜透析の透析液はバクスター社の製品を使っているため、同社の責任者に参加に同席していただき、意見交換を行いました。腹膜透析患者が使う透析液の値段については、台湾と沖縄との値段の差があることを確認でき、台湾のバクスター社と沖縄の薬取扱い事業所が話し合うことができました。

3. 馬偕記念病院

馬偕記念病院は台北を代表する歴史も古い有名な大型病院です。馬偕記念病院における血液透析患者、および腹膜透析患者の状況について説明をしていただきました。医学的な内容で透析患者の管理内容は世界でもトップレベルの内容を誇っているということです。血液透析と腹膜透析の患者の割合では、まだ血液透析の患者の方が多いのですが、今後は次第に腹膜透析の方へ移行していくということでした。

馬偕記念病院内

4. 台南市政府

今回の台湾訪問に関しては沖縄県産業公社の補助事業の一環でおこなわれており、県の担当者も同行していることから、台南市政府当局に対して同事業の説明したいと打診を行いました。そのため今回の訪問に対して台南市側の参加者は、副市長、衛生局長など行政と、台南市の公的病院の病院長、および透析治療などを行っている民間病院やクリニックの院長などが参加して行われました。一通り本事業についての説明を行った後、ディスカッションに移りましたが、本事業については総論的に良好な理解をしていただきました。その上で、台南市側から、「今後継続的な取り組みとしていくためには、双方向の交流をしていたことが必要でしょう」と言う提案をいただきました。

台南市政府庁舎前

5. 裕生クリニック

高雄医学大学出身の先生が独立して開業しているクリニックです。高雄医学大学腎臓科主任教授の先生が案内するクリニックであるので、高雄の中でも優秀なクリニックだと感じました。建物や内装などを含めて日本国内のクリニックと比べてもアメニティーとしては素晴らしかったです。また透析室での設備内容や機器管理をみても整然と行われていました。非常に心地よいクリニックでした。同クリニックも透析患者に積極的に海外旅行を進めており、ツアーのパンフレットも置いてありました。

ヒアリング調査

6. 高雄医学附属病院

今回、訪問する予定になっている高雄大学医学部腎臓科主任教授は、数年前から沖縄にも訪問したことがある先生で、相互交流を行っていました。今回も本事業の説明と協力の打診行ったところ快く受け入れて頂き訪問になりました。最初に、高雄医学大学付属病院長の先生にも面会をすることができ、本事業についての説明を行いました。その後、黄教授の部屋で本事業についての細かい説明を行いました。黄教授から腹膜透析患者が透析液を携帯して海外旅行する際に液体の通関検査が難しいことを指摘しました。この事業モデルが確立できれば腹膜透析患者にとって便利になると期待しているとのことでした。また、この事業の内容を透析患者に周知することを協力していただけることも確認できました。

透析室内

7. 義大大昌医院

高雄にある企業立の大型病院です。義大医院は台湾を代表する大手鉄鋼会社の創業者が、自ら病気にかかりその治療のために台北に往復する日々を過ごし、高雄でも台北に劣らぬ同様な治療ができるようにするため、病院やがんセンターそして、医学大学まで創立をしたといういきさつがあります。今回は義大医院と付属するがんセンターを訪問見学しました。義大医院では、透析センターと入院施設を見学しました。最新の設備とアメニティーを備えた立派な施設でした。今回の事業について透析患者に周知していただけることを確認できました。

義大大昌医院腎臓科

8. 義大がんセンター病院

同グループ病院のがんセンター病院の見学をしました。建物の外観も日本の大都会にある一流建築物とそん色ない立派な建物でした。小児病棟は独自のキャラクターをかたどった絵柄が描かれて、子供にも怖さを忘れさせ楽しく過ごしていけるだろうと思われる配慮がなされていました。

義大がんセンター

今回の訪問は、歴史が古い有名な私立病院を始め、医学大学の附属病院、個人医師が開業する透析クリニック、台湾の企業グループ病院など、様々携帯の医療施設を見ることができ、台湾の医療機関との交流が一層広がり、台湾の医療界のネットワークづくりには非常に役立った訪問であることを実感しました。

最後に夕食交流会を義大医院院長の張基昌先生が催してくださりました。院長の張基昌生は大変親切な方で、終始楽しい雰囲気の中で交流を深めることができ、台湾のこと、沖縄のこと、今後の相互交流のことなどについて和やかに話しが進み、非常に有益な夕食会となりました。

義大大昌医院張院長を囲んで